言葉が好きだ。
不思議な順番で書かれた言葉は特に好きだ。
最近世の中では短歌が流行っているらしく、話題の歌人・木下龍也さんの新刊を買いに行ったら、店頭には一冊しか残っていなかった。
手にとってレジに向かった。
この本には装丁が何色かあって、全色揃っていたら選ぶのに小一時間かかっていたと思うので、これを買え!という紀伊國屋書店からの運命的な指示は逆に助かった。
木下さんは、ひとりの想い(お題)と向き合い、短歌を作る、という活動をしており、『あなたのための短歌集』にそれらは収められている。
詩の神様からのお題に木下さんはこう答えた。
【お題】
私は十八歳から詩を書き始めていつの間にか九十歳になってしまいました…という人間を面白がらせる短歌が読みたいのです。
詩人 谷川俊太郎
【お題から生まれた短歌】
言葉ってくすぐったいね靴下を脱いで芝生を歩くみたいに
木下さんは短歌を書くのに行き詰まると谷川さんの「芝生」という詩を読むそうだ。
谷川さんも自作の詩のお気に入りは「芝生」だそうだ。
裸足で歩く芝生の感触。
くすぐったい。
顔の真ん中にシワが寄る。
無防備で無邪気な私の姿。
僕にとって「芝生」と言えば、
それはもちろん、
コントユニット「芝生」である。
そうだ、ここでは靴下を脱ごう。
チクチクする感触がくすぐったくて、
ただケラケラと笑っている。
そんな創作をしていこう。
そしてもし「芝生」の由来を聞かれたら、
そういう理由だと嘘をつこう。
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